漢字かな交じり文を縦書きで書くときのポイント
ポイント①漢字とかなのある文章はそれぞれの大きさに気をつけて運筆しよう
漢字とひらがなが混じった文章は日本語の特徴なので書く機会も多いですよね。文章になったときは文字の大きさに気をつけるだけでぐっと読みやすくなります。
漢字>カタカナ>ひらがなの順に大きさに少し変化をつけるのがポイントです。
こうすることで大きな字が最初に目に飛び込みやすくなります。漢字やカタカナは名詞や動詞である事が多いのでひらがなを飛ばして読んでも何となく意味がわかりますよね。
漢字が大きいと文章の全体像が把握しやすくなるので読みやすい文章になるというわけです。
ポイント②縦書きは中心線を意識して
私は実際に自分の生徒さんに教える時、「縦書きはおでんを串に刺すように書いてね」と言います。おでんはこんにゃくは三角、大根は丸など一つ一つ形や大きさが違いますよね。それを串に刺すときは、落ちないように具材の中心に串を刺していくと思います。
縦書きも同じで、文字が中心線でしっかり串刺しになっていると綺麗に見えます。
ポイント③文字の縦線はしっかり真っ直ぐ引く
縦書きは真っ直ぐ引くべき縦線が曲がっていると、途端に不格好に字全体が曲がって見えます。
字の形に捕われすぎると疎かになりやすい部分なので、意識して真っ直ぐ引けるように気をつけましょう。
お手本 漢字かな交じり文縦書き(秋の俳句)
それでは早速秋の俳句を実践です!
http://seikasmemolog.com/wp-content/uploads/2021/09/20210928_133002-1.pdf

枯れ枝に 鳥のとまりけり 秋の夕暮れ
松尾芭蕉の俳句。秋の夕暮れが季語で、「気がついてみれば鳥が枯れ枝に寒々ととまっていて、あたりは日が暮れかかって、秋の夕暮れの静けさが広がている」という意味。晩秋を思わせる俳句ですね。
運筆のポイント

- 「枯」「枝」「秋」はへんとつくりのある字です。特にきへんやのぎへんのある字はへんとつくりが1:1になるように中心線を意識して書きましょう。
- 「鳥」「暮」は横線の多い字なので縦に間延びしないように注意し、横線同士が等間隔になるようにすると字が安定します。
- 「の」はひらがなの中でも少し小さく、「け」「り」は縦長に書きます。
- 「ま」の結びの形は難しいのでひらがなのところでしっかり練習しておきましょう。
秋深き 隣は何を する人ぞ
松尾芭蕉の俳句。秋深しが季語で、「き」を「し」に変えてことわざとしました。「このごろはすっかり秋が深まって、何か寂しさを感じ、隣は何をする人なのか気になっています」という意味。こちらは秋がぐっと深まって寒さを感じ始める頃の俳句ですね。
運筆のポイント

- 「秋」のようにのぎへんのある字はへんとつくりのバランスが1:1になるようにまとめましょう。
- 「深」「隣」「何」などのような画数の少ないへんのある字はへんとつくりのバランスが1:2になるようにまとめます。
- 「き」は3画目から4画目にかけて繋がるように、はねる方向と4画目のカーブに気をつけて書きましょう。
- 「を」は2画目の位置と形がポイントです。
- 「ぞ」は最後をはらってしまう人が多いですが、とめて書きます。
いかがでしたか?俳句は季節を感じられるので書いていて楽しいですよね。私も鳥たちが寒そうに枯れ木にとまっている姿を思い浮かべながらお手本を書きました。
毎日忙しく暮らしていると、季節の移ろいをゆっくりと感じるヒマもないですが、気持ちを整えて書をしたためると、その時間だけゆっくりと優しく過ぎていきませんか?
「丁寧に生きる」というのはなかなか難しいですが、ちょっと立ち止まって深呼吸する時間があるだけで心が穏やかになります。
ぜひ一緒に深呼吸しましょう^^
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